総評レビュー&総合感想です。ネタバレなし。
購入しようかどうか迷っている人の1つの指針になれば幸いです(*’▽’)♪
※個人的所感ですので参考程度にお願いします
※気を付けていますが、1ミリのネタバレも許せない、まっさらな状態でプレイしたい!という方は回れ右推奨です。
総評レビュー(ネタバレなし)
シナリオ
「キューピット・コーポレーション」という結婚相談所のアドバイザーであるヒロインが、通称「パラサイト・ファイブ」と呼ばれる難ありまくり厄介会員5名の婚活を支援していく――という導入から始まるラブコメディーです。舞台は現代ですが、ヒロインは神界からやってきた本物のキューピットということで、ファンタジー要素も織り交ぜられています。
全体的にテンポの良い明るく楽しいお話でした。シリアスシーンもありますが、ハチャメチャなトンデモ展開によく吹き飛ばされます(笑)そこは作品自体が最初からコメディという雰囲気を纏っているため、私は笑って受け入れられました。
ハチャメチャといってもシナリオが支離滅裂という訳ではなく、設定がしっかりしているので話は不思議とまとまっていた印象です。実際にある神話と独自の設定が上手く組み合わさっているのでファンタジー部分の説明もつけられていましたし、攻略対象の彼らが何故「パラサイト」と呼ばれるようになったのかの掘り下げや、恋愛過程の描写も丁寧でした。
キャラクター
それぞれが『失恋』『地位』『趣味』『外見』『略奪』にパラサイト――つまり寄生している個性が強すぎる面々が攻略キャラクターです。ヒロインに過去玉砕していたり代理婚活したり神話オタクだったりカラーコードで会話(?)したり乙女ゲームの攻略対象なのに略奪とか言ってたり……一癖も二癖もある問題児たちに振り回されます。
そんな彼らが「恋」をした時に見せる愛情表現もギャップがあり見所の一つとなっています。個別ルートに入るとそれぞれ内容の違ったラブストーリーが楽しめます。
サブキャラクターもメインに負けず劣らず個性的で、お話のテンポの良さに一役買っています。時にはサブキャラクターの方がハチャメチャだったり(笑)
ヒロインは自身の「キューピット」という役割に対して真摯に向き合っており、行動的で好感がもてる女性でした。そしてサブ含めたキャラクター達の突飛な行動に対して常時ツッコミ炸裂してます。
糖度
糖度は高めです。ファンタジー要素が入ると糖度が薄くなってしまう乙女ゲームも多々ありますが、本作は流石「ラブコメ」を全面に押し出しているだけあって、甘いシチュエーションは多かったです。
また、CERO:D(17才以上対象)のため、そういったシーンも含まれます。その行為にも意味があるストーリーになっていたと思います。描写についてはふんわり匂わせ程度というよりは細かめで、ライターさんが吉村りりか氏なので「蛇香のライラ」をプレイされたことのある方はそちらをイメージされるといいかもしれません。
グラフィック
目を引く明るいビビッドカラーが印象的な今作。全体的にオシャレでポップに統一されています。
スチル枚数は差分なしカウントで各キャラクター11種類。イラストレーターはユウヤ氏です。甘いシーンの艶やかさと、ファンタジー場面の神々しさがGood!同氏が作画担当している乙女ゲームで例えると、「蛇香のライラ」で見た艶やかさと、「幻奏喫茶アンシャンテ」で見た神秘的な感じです。そこに今回は現代的要素が加わってビビッドでポップな仕上がりになっています。
また、ヒロイン含め各キャラクターの衣装差分も多く、立ち絵にも反映されています。髪型が変わっていたりもするので、スチルのないシーンでもかなり目で楽しむことができました。
背景グラフィックも種類が多く、1度や2度しか使われないものも多かったので、かなり力が入ってるなと感じました。
システム
オーソドックスなオトメイト仕様に、選択肢スキップと最近よく見るフローチャートシステムがついています。
海外ドラマや映画を意識した演出にこだわりを感じました。作中のニュース番組も音声は英語で再生されたり、SEも細かく挿入されていたりするのでリアル感があります。バックログはキャラクターの顔つきで、その表情まで台詞に合わせて変わっているところも細かいです。
また、「ラブタイプテスト」という診断テストが本作特有となっています。14個の質問にYesかNoで答えていくことで、自分のラブタイプを判定します。結果によって物語のエンディングが変化する仕組みになっています。(ラブタイプテストの攻略はこちら)
そしてBGMが秀逸です。ポップチューンで世界観にマッチしていて、各キャラクターに専用BGMもあります。このキャラクターBGMがすごいもので、それぞれのイメージにぴったり合った旋律と英語の歌入りで、ずっと聴いていたくなります。例えば螢彩院くんは名前の通り日本出身なのですが、曲に和風テイストも入っていてそこに英語の歌詞が合わさっていてそれがまたお洒落なんですよね。実際にプレイ後に音楽再生画面から何度も繰り返し聴いていました。サウンドトラックが9月下旬に発売されますが、これは売れそうだなあと。作業用BGMにしたいです。
残念だった点としては、既読スキップ・選択肢スキップ・読み込みが遅いところです。システムにこだわって細かく動いてくれるのはいいのですが、スペックがそれに追い付いてなくて全体的に重く感じてしまいました。
《開発ブログ様より引用》
本作ではオプションからフォントの変更が可能となっており、開発ブログ様(http://blog.otomate.jp/cp/)では【2】をオススメされていました。以下引用です。
一つプチ情報を。映像内は、デフォルトのフォントにしておりますが、オプション内フォント設定で【2】を選んでいただくと、より映画感が強まります♪ 実は【2】は、映画字幕などでよく使われているフォントなんですよ✨
総評
コンセプトがしっかりしていて、テーマに忠実に作られており、製作側のこだわりが感じられる作品でした。ラブコメ作品の中では完成度が高いと思います。グラフィック面やBGMなどのサウンド面にも力が入っていて、目でも耳でも楽しめます。物語の舞台はロサンゼルスとニューヨークをモデルに掛け合わせたアメリカの架空都市で、演出上でも海外的な雰囲気が感じられます。
「婚活」がテーマということで、それに沿って「恋愛」を追求したお話になっています。現実にもある「ラブスタイル類型論」に基づき、各キャラクターに『アガペ』『プラグマ』『ルダス』『エロス』『マニア』という5つのラブタイプが割り当てられており、そのタイプの特徴に沿ったそれぞれのラブストーリーが繰り広げられます。よって、恋愛過程は丁寧に描写されていました。
婚活という現実的なテーマが前提にあるにも関わらず、ファンタジー要素も上手くはまっていて、この作品でしか見られない「ラブコメ」が出来上がっています。独自の設定が面白い。いろいろと謎も隠されており、すべて繋がったときの「あのときの行動はこういうことか~」と思い返すのも楽しかったです。
【女神×婚活をテーマにしたキュートでハチャメチャなラブコメディー】というキャッチコピーの通り、ハチャメチャでぶっ飛んだ展開がよくあります(笑)そこが合う合わないが別れるところかなあと思います。下ネタもあるので苦手な人は注意。それ故に、シリアスや重たい話が好きな人には向かないかと。
逆に明るい話が好きな人や、バッドエンドが苦手な人、そしてラブコメがやりたい!という方にはおすすめです(*’▽’)
以上で総評を終わります。
親身になってくれるヒロインちゃんみたいなアドバイザーのいる、恋からはじめて結婚までサポートしてもらえる結婚相談所があれば即入会したいなと思う今日この頃でした。
P.S.神話オタクの彼のおかげで、シナリオ中にも結構詳しく神話について記載されているので、ついついプレイ中に調べたりして「神話について調べるの楽しい!」ってよくなっていました(笑)何度中断してSwitchがスリープ状態になったか……。
Switch 2020/8/20 発売
オトメイト(アイデアファクトリー)
ユウヤ 吉村りりか 立松史悦
キャスト未定
キュートでハッピーでハチャメチャな、女神×婚活ラブコメディー!