某の乙女ゲーム遊戯録

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Nightshade/百花百狼 百地蝶治郎 感想

Nightshade/百花百狼(ひゃっかひゃくろう)

百地蝶治郎(CV:鳥海浩輔)の感想です。ネタバレあり。

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攻略はこちら:百花百狼 百地蝶治郎 攻略

蝶治郎 個別ルート感想

とにかく号泣したルートでした。3回泣いた。

 

序盤は一緒に任務に出向き、兄様の後を必死で追いかけて時には褒められたり、街の散策で昔を思い出しながら手を繋いで一緒に歩いたり、撫でられたり……師匠である厳しい忍の面も覗かせつつも、兄としての優しい人柄が見えて、基本ほのぼのしてました。

 

そして、そこからの追討令。一気に深刻になって温度差にヒエっとなった。蝶治郎は滅びた伊賀の長の子で、伊賀攻めにより全てを失った過去を持ちます。掟に反して槐を助ければ、今度は自分の判断により里を滅ぼすきっかけを作ることになってしまう。

 

甲賀の里を守るために苦渋の決断を下し、迷いを振り払って槐追討の任に当たります。

 

月下丸が槐の元に向かう際に争わず道を譲ったのは、後から勘道の文による指令だったことが分かりましたが、それでも槐を助けることができるのは月下丸ただ1人だと心に留めていたあたり、自分の代わりに助けて欲しいと本心では思っていたんじゃないでしょうか。

 

そして、忍びの掟を忘れ全てを投げうっても己が信念を通す月下丸が眩しく見えてたんじゃないかなあと。

きっと槐が月下丸とそのまま逃げ延びてくれればそれで良いと思っていただろうに、現実は残酷で、自らの手で槐を手にかけなければならないことになり。忍びは何も持たざるべきと、蝶治郎は全てを諦めました。

 

追忍としてやってきた蝶治郎と槐の対峙が切なすぎました。夕暮れの修験場に迎えに来てくれた優しい過去を思い出すような風景で。

 

どこを斬ればいいか分からず、得物を置いて自らの手で首を絞めるシーンで涙腺が機能しなくなりました。

槐が微笑んで蝶治郎の袖を掴むところでもう駄目でした。袖を掴むというのも、昔の幸せな記憶からなんですよね…。手で締める方が命が徐々に消えていく瞬間がダイレクトに伝わるはずなのに、それを選んだ蝶治郎が優しく見えて。

 

そして仲間の死と埋葬のシーンでもう一度泣きました。

更に、自分が死なないと里が滅ぼされることを槐が知って自殺しようとしたシーンで3回目の涙が。

 

 

ここまで自分が生きるために親しい人達が死んでいき、周りを犠牲にして生きることに悩み、生きていていいのかとずっと自問自答してきた槐。そして自分の存在が、自分が一番大切にしてきた里を滅ぼすことになると知って、本当に自分の生きている意味が無くなってしまい自害を選びます。そんな槐の心境に涙しました。

 

私、わりと涙腺が強固で涙を流すほど泣くことってあまり無くて。

皆が泣いた!っていう作品でもじんわり涙が浮かぶくらいだったんですけど、このルートでは久々に涙を流しました。それに1つのルートで3回も泣くなんて。しかもプレイしてたのが帰省中の新幹線の中だったんですよね(笑)ゲームしながら急に泣き出す女に隣の人は何を思っていたのだろうか……(遠い目)。

 

蝶治郎が槐のことを1人の女性として意識していく心の移り変わりに、緩やかに悶えさせられました。「夫婦のようだ」と蝶治郎に言われて槐が喜んだのかどうか、蝶治郎が槐の口から聞き出そうとするシーンが大好きです。

 

「――唇を、寄こしなさい」という台詞にはドキッときました。いきなり熱くなるんですもの!!師であり兄でもあった蝶治郎らしい言い回しが最高でした。

 

蝶治郎は気づいていないだけでずっと前から槐のことを愛しいと思っていたんですよね。昔と今、2度恋をした。京の街散策で手ぬぐいを受け取ったときに既に槐は自分を迷わせる存在だと自覚していました。そして、それよりずっと前の昔、夕暮れの修験場に迎えにいってた頃もきっと槐は大切な存在だったのだと思います。

 

ラストは五右衛門、黒雪、半蔵と次々と仲間に助けられて城から脱出する疾走感に心が逸り。エンディングに向かうにつれて柔らかくなっていく蝶治郎の態度や増える軽口が微笑ましかったです。

 

狂言による代理戦争という胸くそ悪い真実で仲間が死んでしまった背景はどうしても悲しいけれど、それでも幸せだなと感じさせてもらうことができました。もっと軽口を叩く蝶治郎や照れる蝶治郎が見たいよ~~もっとイチャイチャが見たい……。

 

本編の糖度的にはこれくらいで満足なのですが、ちょっとだけでもいいから後日譚が見たい……!いつか槐の呼び方が「兄様」じゃなくなる日がくるのかな。

 

バッドエンドはお互いを貫くスチルもずっと心に残っています。

術により舞い上がっていく薄紅色の花びらが鮮血で真っ赤な花びらへと変わっていき、散った後にはようやく自由になった一組の番いの抜け殻だけ――という風景描写が素敵すぎます。

 

悲しいけれどBGMも相まって綺麗なBAD ENDでした。

 

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