<Switch/Vita対応>
総評価レビュー&総合感想です。ネタバレなし。
購入しようかどうか迷っている人の1つの指針になれば幸いです(*’▽’)♪
※個人的所感による感想ですので参考程度にお願いします
※気を付けていますが、1ミリのネタバレも許せない、まっさらな状態でプレイしたい!という方は回れ右推奨です。
続編(FD)はこちら:白と黒のアリス -Twilight line- レビュー
総評レビュー(ネタバレなし)
シナリオ
共通ルート1~4章、個別ルート1~6章という構成です。共通は導入程度で短く、すぐに個別ルートに入れます。個別ルートではまるまる6章分、キャラクターの個別ストーリーが楽しめます。いわゆる金太郎飴式ではなく、それぞれ違うストーリー進行となっています。長さ的には初回プレイで6~7時間、2周目からは共通ルートをスキップできるので、4~6時間ほどで1キャラ攻略できます。
エンディングは「白世界エンド」と「黒世界エンド」に分かれます。スチルありのバッドエンドも各キャラ用意されています。バッドエンドは攻略キャラやヒロインが病んだり、メリバ的展開もあります。
ハッピーエンドである白黒エンドは、結末を白の世界で迎えるか、黒の世界で迎えるかによって分岐します。どちらのエンドをトゥルーエンドと取るかはプレイヤー次第です。ですが個人的にはぶっちゃけ、黒エンドが良いキャラは白エンドがあっさりしすぎていたり、濃淡のムラが大きかったように感じたので、エンドはどちらか一つにして片側に注力してほしかったなあ…なんて思ったりしました。
また、起・承・転までは丁寧だったのに、結の部分が火急であっさりご都合主義な結末におさまってしまいがちだったのが少し勿体ないと感じました。世界観やキャラクター設定が良い分、シナリオ面が少し惜しかったかなと。
キャラクター
攻略キャラクターは6人です。白の世界と黒の世界でそれぞれ3人ずつ攻略できます。本作はWヒロインになっていて、ゲーム開始時にどちらの主人公でスタートするか選択します。その後、それぞれお相手を選択するというシステムになっています。
双子だけど性格の正反対な側近ウサギ、ストーカーばりに背後霊してる護衛騎士、毒舌な帽子屋、飄々としたチェシャ猫、気さくな三月ウサギなど、『不思議の国のアリス』の登場人物をモチーフとした個性豊かなキャラクターが揃っています。
ずっと個別ルートになるのでそれぞれの物語を長く楽しめます。攻略キャラクターは全員「黒の世界」の住人で、黒の世界には絶対的な身分制度があるので、それぞれの立場や抱えているものが全く違います。シナリオ評価で上述したように、少しストーリーには粗を感じる部分はあったものの、キャラ萌えはしっかりできたように思います。
ヒロインについては賛否両論あるみたいですが、私はどちらの子もそれぞれ良い所があって好きです。ルナちゃんは一見して性格がキツイけれど生い立ち的に納得のできる振る舞いですし、行動理念も芯が通っていることが物語を進めるにつれ分かってきます。ルナちゃんの境遇が少しキツめなので、ルナに感情移入しすぎて愛日梨ちゃんにはあんまり…という声もあるみたいですが、彼女は彼女で両方の世界に振り回されて大変な身の上です。愛日梨ちゃんの博愛さは少しいきすぎた部分があるんじゃないかと心配になる面もありましたが、そんな愛日梨ちゃんだからこそ救えたキャラクターもいます。
糖度
可もなく不可もなく、といったところです。スチルを見返すと甘めに感じますが、本編進行中はあまりそうは感じなかったというか。それでも結果的にキャラ萌えはできているからなんとも不思議な糖度具合でした。曖昧になってしまい申し訳ありません。
グラフィック
スチル枚数は、各キャラクター差分なしで数えて13種類です。世界観にあったタッチで綺麗なイラストです。横顔の崩れが気になる人は気になるかもしれない…。ハッピーエンドはもちろんのこと、バッドエンドのスチルにも気合いが入っているなという印象でした!
システム
通常のオトメイトシステムに加え、本作では選択肢スキップが搭載されていました。次の選択肢までスキップしてくれる機能です。未読地点で止まってくれるのも嬉しい。速度も比較的速めです。これによりエンド回収が快適でした。クリア後はChapterジャンプも使用可能です。
おまけ要素は多め。サブストーリーとして、1話5分ほどの小話が各キャラ8話読めます。ヒロイン視点もあればキャラクター視点のお話もあります。
また、全キャラ登場するショートストーリーが1本あります。おまけページにある「Tea Party」という部分になります。こちらは何だかお話が中途半端に感じてしまい、作られた意味があまりわかりませんでした…。
そして、キャラクターから届く手紙があります。こちらは各キャラ、それぞれのストーリーを振り返った内容で、その時何を想っていたのか心情も添えられています。
おまけの充実は良かったのですが、サブストーリーや手紙は本編に組み込んでくれればもう少しキャラクターの心境が分かって濃いシナリオができたんじゃないかな~とも思ったり。
総評
『不思議の国のアリス』モチーフを元にしたオリジナルの設定や世界観にはばっちり惹き込まれました。曲も綺麗でイラストも相まっているし、特に背景の美しさには目を魅かれます。特に黒の世界の背景は細かく色使いも繊細で、不思議の国の世界観がよく出ていて見ていて飽きません。
キャラクターも個性豊かで様々な属性が揃っていますし、辛い過去や重たいモノを背負っているキャラクターもいますので、キャラ萌えはしっかりできます。
ただ、結末がご都合展開で納得できない部分があった点が微妙に感じてしまって残念でした。よってシナリオ重視派にはあまりおすすめできないかもしれません。
アリスものが好きな人、キャラ萌えできればOKな人、好きな声優さんがいるという人には十分おすすめできる作品かと思います。そこまで重苦しくダークなお話ではないので、さくっと楽しめます。FDも発売されましたので、本編後に続けてFDも楽しめるのも良い点ですね。
私的にはシナリオにやや難点があると感じてしまったものの、キャラクターが好きになれたし世界観も気に入ったので、エンド後の後日譚を見るべくFDもプレイしてみよう!と思えた作品でした。
Switch 発売日:2021/6/24
オトメイト(アイデアファクトリー)/工画堂スタジオ
もちもち太 魚住ユキコ 上月はじめ
梅原裕一郎 増田俊樹 木村良平 興津和幸 下野紘 花江夏樹
鏡を抜けると、そこは不思議の国でした――。
『白と黒のアリス』と、そのファンディスクである『白と黒のアリス -Twilight line-』が1本にまとまったSwitch移植版!