某の乙女ゲーム遊戯録

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終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation- マティス 感想

22:22終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation-

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- 人を赦す運命を拒絶した男 -

 

マティス・クロード(Cv:天﨑滉平)ネタバレあり感想です。

攻略はこちら:終遠のヴィルシュ マティス 攻略

マティス 個別ルート感想

  • ネタバレ有り感想です。コンプ前の閲覧はお控えください。
  • 他キャラクターのネタバレも若干含みます。
  • 各種特典小冊子の後日談SSのネタバレもあり。

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全体

トップバッターはマティス!と言う方も多いのではないでしょうか。

私は初回、とりあえず無害そうな可愛い系を選びがちです(^_-)-☆

ということで遂に待ちに待った終遠のヴィルシュ、開幕です。

読さんイラストの乙女ゲームが出ると聞いて1年前からずーーーーっと楽しみにしておりました……!

 

マティスの第一印象は可愛いおどおど系坊ちゃん。

共通ルートでは兄を死刑執行人に殺され、復讐心を燃やす姿が描かれていました。

 

そして死刑執行人を前にすると人が変わったように暴走。

車に乗ると人格が豹変。

 

ここまではそういう個性かな……と思うじゃないですか。

復讐心による暴走はそれほど思いが強いんだなあで納得、車については『ハンドル握ったら人格変わるあるある』で納得できるじゃないですか……!

 

それが、まさか……

複数の記憶をダウンロードされた影響による人格変化だったなんて!!!

予想外の展開に驚きです。

個別ルートに入ってからほのぼのと過ごさせてくれてからのこれだよ。

 

マティスはたくさんの妊婦を殺して奪った胚細胞を繋ぎ合わせて作られた体に、研究所から盗み出したバックアップデータから数多の記憶をダウンロードされて出来上がった、人造人間でした。

 

進んでいくうちに明らかに人格がおかしかったり、首の後ろにボタンみたいなのがついたスチルがあったりと徐々に布石は打たれていましたが、真実が判明するまでそんな事実には全く気が付きませんでしたね……。

ただでさえこの世界にはリライバーという造られた生命が当たり前のように存在しているので、その上に人造人間なんてものが出てくるのは完全に予想外でした。

 

展開が予想できない乙女ゲーム、素敵すぎません……!?

マティスが1人目の攻略でしたが、この時点で個人的に終ヴィルは当たりだと確信しましたね。

 

唯一、イヴの料理を美味しいと言ったのも、きっとあの家系の遺伝子がどこかで混ざったからなのでは……。

味覚まで伏線だなんて思ってませんでした!

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後から別のルートをプレイして分かったのですが、人格暴走中に出てきたひとつの人格の中には、ある人の両親のものも混ざっていましたね。

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いつも日付が変わる前には眠くなっていたのも伏線。

毎夜毎夜、地下に連れていかれて記憶をダウンロードされていた。

本当の寝室は地下の冷たい研修施設……。悲しい。

 

自分のものだと思っていた小説も、記憶から無意識に紡ぎ出してしまったもので自分のオリジナルではなかった。

とマティスは絶望していましたが、最後の最後の1小節だけは愛しいセレスに向けて紡がれた、マティスだけの物語だったのではないかと思っています。

 

そしてこのルートで何度も遭遇した死刑執行人さん。私はマティスルート内では最後まで正体に気づきませんでしたね……。気づいた人はかなり鋭いのでは?

 

マティスを一番手にして良かったなあと思いました。死刑執行人の正体が誰か分かると、マティスルートを見る視点が変わりますよね。ということでマティスルートをもう1周やってみたのですが、違った見え方がして面白かったです。

攻略記事の方で攻略順のおすすめも出しているのですが、順番かなり迷いましたね~。多分どっちを先にプレイしても面白い。マティスを先にやったら後でもう一度マティスに戻ってきてほしいですね。

 

あとはジャンの正体。共通ルートから事件について一部伏せるようにマティスに耳打ちしたり、ロザリーが実在しているのか怪しい雰囲気などちょこちょこと何やら不穏な空気を醸し出していましたが、マティスのことは本当に大切にしていると思ってたんですよね~……。

あんなにひどいことしてると思わなかったよ。一発目から衝撃というか。終ヴィルの洗礼を受けた感じですね。

 

そしてジャンはさながら準主要メンバーといえるほど他のルートでもさらっと登場しまくりwジャンについてもマティスをプレイ済みかどうかで他ルートの印象が随分変わりますよね。初回マティスで絶望エンドを迎えて次のキャラクターに移ったときにはしれっと出てくるジャンに「何をぬけぬけと……(;^ω^)」なんて思ってました。エンディングの攻略制限上、マティスルートは絶望で終わったまま解決してませんもの。悪者としか見られません(笑)

そんな彼も三幕ではまさかの協力体制でしたが。そこでもロザリーに対しての愛だけはブレなかったのがすごかったなと。

絶望エンド

【 愛と憎の物語 】

 

前情報を入れずに初めてエンディングに辿り着いた人は皆、「絶望エンド」という名が示す通りに「絶望」したのではないだろうか。

いやあ、好感度すべて上げてる上に、エンディング分岐前のラストシーンでは殺人鬼の記憶をダウンロードされてセレスがぼろぼろにされながらもマティスが彼女のことを思い出して、ハッピーエンドに向かうんだ……!と思うじゃないですか。

 

絶望した!!!!!!!!!!(←2021年になってこの台詞を言うことになるとは思わなかった)

ハッピーな流れかと思ったらバッド行きでしたね絶望。

 

マティスはカミーユとなり、セレスはロザリーとなり歪んだ愛の中で生きていくことになるのでした。

カミーユとなってしまったマティスがセレスに向ける愛はロザリーに対してのものなので偽りの愛となりますが、ロザリーを『演じている』だけのセレスのマティスに対する愛だけは本物なんですよね……。

 

アンクゥだけはこっそり助けに来てくれたようですが、セレスは断り。

アンクゥは何を思って身を引いたのか。セレスの選択と愛を尊重したのかな……。


【 配達人たち 】

 

メイン絶望エンドの衝撃が強すぎて、もう一つの絶望エンドの内容忘れた……何でしたっけ……。

 

セレスが捕まってロザリーの隣に飾られ、マティスがセレスの復活のために配達人になるエンドでしたね(←シーン再生見てきたやつ)。

 

こっちの絶望エンドの方がメインに比べると絶望感がかな~りマシな気がする……!!!!

それほどまでにメインはつらい。セレス生きてるのにつらい。

 

救済エンド

【 あなたと綴る恋物語 】

 

様々な真実を知った上で、やっと巡ってきた救済。

第三幕クリアで解放されてから、初回にプレイしたマティスの救済エンドを一番に回収しにきました。

 

分岐後、マティスはセレスへの愛を完全に思い出してくれました。

そして崩壊する地下室にジャンことカミーユを残し、脱出。

 

初回では普通にこういう展開が見られると思ってたんだよ……!そういう制限とか演出好きなんですけどね!!!ありがとう制作陣。

 

カミーユと別離する寸前にマティスに関する最後の秘密が明かされました。マティスはカミーユとロザリーの子供の細胞から作られたということ。『兄さん』ではなく『父さん』だったんですね。カミーユの罪から生まれた神様の贈り物。それがマティスでした。

 

そしてアンクゥが居場所を知らせたことで助けに来てくれたアドルフとイヴに、マティスを病院に連れていく提案を断り、クライマックスへ。

毎夜、記憶をダウンロードしないと記憶の齟齬により脳の崩壊を起こしてしまうマティスは、地下施設の崩壊によりそれが不可能になって残り数時間の命ということが確定してしまいます。

 

――あれ、マティス死んじゃう……???

このゲームだと普通にあり得ると思ってエンディングムービーの間、どうなるのかドキドキしてました。最後まで予想させてくれないのすごい。

エンディング後、マティスは生き延びました。――ただし、リライバーとして。

 

セレスのこと自体を忘れている様子だったので、大事な感情だけでなく記憶も欠如している不完全なリライバーになっているようでした。

しかしそこは何度、別の誰かになっても幾度も恋をした2人。そのパワーでマティスがセレスを見つけてエンディングへ。

全てハッピー万々歳とはいきませんでしたが、先には明るい未来があると信じて。

 

セレスもマティスと同じ時を生きてまた何度も恋をするためにリライバーになることを決意しました。アンクゥの飴も貰ってたので呪いについてもきっと大丈夫なのでしょう。

絶望エンド 後日談

※限定版特典小冊子SSネタバレです※

 

【 繰り返す愛しい君との日々 】

限定版小冊子でメイン絶望エンドのその後を描いたSSが見られます。バッドエンド後の世界のSS見るのって結構好きなんですよね……!ありがたし。

 

――と思っていましたが、絶望エンドのその先を舐めてました。

救いがないのは当たり前としても切ないとかそういうレベルの話じゃないwww

 

ちょっと他ルートに比べても書くのもためらわれるほど徹底した絶望の先の絶望だったので反転にしようか迷いましたがこのまま投下しちゃいますね、、、

閲覧注意。

 

『婚約』した2人のその後の生活が描かれていました。

変わらず冷たい地下で暮らし続ける2人。

ある日ロザリー(セレス)が妊娠して、それを知ったカミーユ(マティス)は……。というお話。

 

今もなお地下の狭い空間で暮らし続ける2人というのがなんとも哀しい。

そしてセレスが妊娠したことを知って、カミーユであるマティスは『ロザリー』との間に子ができることに歓喜。

しかし、本当のロザリーは妊娠して子供を産む前に死亡してしまったので、記憶に矛盾が発生してしまいます。

 

セレスが子供の名前を『マティス』にしたいと告げたことから崩壊が始まり、最終的には壊れる『前』の状態にマティスの記憶と、セレスの身体を戻すことになってしまいました。

 

記憶が崩壊する寸前に、マティスがセレスのことを思い出していたのがほんの少しの希望。

この先、その小さな希望が救いに繋がることはあるのでしょうか。……うん、ないでしょうね。

 

セレスが今もなお『マティス』のことを想い続けているので、いっそのことセレスも狂ってマティスのことを忘れて『カミーユ』を愛するようになった方が楽で、幸せなんじゃないかなと思ってしまいました。

 

それにしても後味が悪い……徹底して絶望に突き落としてくる制作陣は悪魔か何かなのでしょうか。

救済エンド 後日談

※ステラ特典小冊子SSネタバレです※

 

【 恋敵は自分 】

ステラワースの特典小冊子にあった救済エンド後のお話。

本編がとにかく絶望まみれだったので、唯一の救いである救済後のエピソードが見られるのは本当にありがたい。

それでは、内容の感想です。

 

ちゃんと恋人同士になってました。安心した……。(ちょっと絶望続きで疑心暗鬼になってる)

 

マティスは前より少し堂々とした性格になったようです。リライバーになったマティスは、元のマティス・クロードとしての記憶はほとんど残っていないようで、セレスはそこに少しの寂しさを感じてしまっていて。

それにマティスも気付いていて、「小説を一緒に書こう」と言い出します。以前の自分がセレスと作った小説の一端を見つけて、前の自分に負けないようにと。

 

前向きな強いマティス君は新鮮ですね~。これからどんな男性に成長するのか。彼はまだ1歳なので伸びしろしかない……!

(ジャンが言ってた上に、【年齢:1年】ってばっちり限定版特典小冊子の公式プロフィールに書いてました笑)

 

一番の恋敵は自分。頑張れマティス君!

 

最後にほのぼのとしたお話が見られて本当に良かったです(*’▽’)

 

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