某の乙女ゲーム遊戯録

アラサー喪女の乙女ゲーム堪能記録。

幻奏喫茶アンシャンテ 感想&評価 《総評》

幻奏喫茶アンシャンテ

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総評価レビュー&総合感想です。ネタバレなし。

購入しようかどうか迷っている人の1つの指針になれば幸いです(*’▽’)♪

 

個人的所感による感想ですので参考程度にお願いします。

気を付けていますが、1ミリのネタバレも許せない、まっさらな状態でプレイしたい!という方は回れ右推奨です。

 

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総評レビュー(ネタバレなし)

シナリオ

まずはボリュームについて。プレイ時間は共通8~10時間・個別4~6時間、2周目以降は共通・個別含めて5~8時間程でクリア可能でした。

プレイ時間の比率を見ると共通ルートが長く見えるかもしれませんが、共通ルートでは主人公とキャラクターが関わって成長していく過程が丁寧に描かれており、個別ルートに繋がる伏線が落とされていきます。その伏線が個別ルートで回収されて綺麗にまとまっていきます。そして「そこが伏線だったのか!」と気づいた時に共通ルートをもう一度確認したくなるため、2周目以降も違った視点から楽しむことができました。キャラクター同士のかけ合いも和気あいあいとして面白く、ストーリーも冒険している感があって読んでいて楽しかったです。

一見短くみえる個別ルートも、共通ルートで散りばめられた伏線をしっかり回収して完結していました。共通・個別と合わせてバランスの良い長さだったように思います。途中でだれることもなく、終始楽しく進めることができました。

 

そして、テキストの描写が秀逸です。ライターさんがすごい。読みやすく、テンポよく進められることはもちろん、『SNS・スマホ・ラスボス』など現代的な言葉が出てくるのですが、そんな日常に溶け込む異世界がうまく表現されています。

情景描写も丁寧で、ついついコーヒーが飲みたくなってしまうほど。

小ネタも満載です。思わず声を出して笑ってしまうようなコミカルな場面も多々ありました。選ばなかった選択肢もテキストが面白かったりするんですよね。このゲームで無駄な選択肢ってなかったように思います。

 

内容面では、恋愛過程が丁寧に描写されていて感情移入がしやすかったです。主人公が人外である彼らと関わり、関係性が少しずつ変化していきます。個別ルートに入ると、明かされる秘密に驚かされることも多くて。そして物語のクライマックスに向けての盛り上がりがすごい。

また、異世界がテーマなのに不思議と現実的だと感じました。人外や魔法なんかが出てくるので、もちろんジャンル的にはファンタジーなんですけど、そういった部分の説明をしっかりしてくれるんですよ。人外のことを全く知らない主人公の視点で一緒に進めていくことができます。人外の不思議の力で何でも都合よくいく!なんてことはなく、そういった所に好感がもてます。疑問が生じても後からしっかり回収してくれます。

そのように設定がしっかりしているため、クリア後にモヤっとしたり矛盾を感じたりすることがありませんでした。私はどちらかというとシナリオ重視派で、途中でご都合展開や矛盾がほいほい出てくると気になって集中できなくなってしまうタイプなのですが、本作ではそれがありませんでした。NOTご都合主義で納得できるシナリオ構成・ストーリー展開でしたので、同じようなシナリオ重視派の方にもおすすめです。

キャラクター

攻略対象キャラクターは5人です。公式サイトで発表されている通りで、隠しキャラクターはいません。言わずもがなですが、みんなキャラクターが立っていて個性的です。

キャラクターはみんな、出身の世界が違います。それぞれの異世界の設定まで作りこまれていました。また、キャラクターごとの口調や台詞回しなども、こだわりを感じました。キャラクターにあった表現がされており、設定の深さを感じます。

それぞれの生い立ちなど、過去何があって現在こうなるに至っているのかという土台がしっかりあります。それが個別ルートの大きなストーリーに関わってきて、主人公と出会ってからの未来に繋がっていきます。個別ルートに入ると驚かされることばかりでした。

 

そして、キャラクター同士のかけ合いがコミカルで純粋に面白い。個別ルートに入っても皆で協力していく場面もあり、だんだんとキャラクター同士の関係性も明らかになっていきます。そんなキャラクター間での友情や親愛という面も見どころのひとつです。

 

サブキャラクターも充実しています。設定もしっかりしていて、数が多いのに1人1人が薄くなっていませんでした。それから、マスコットキャラクターがいちいち可愛い。癒されました。

 

主人公には好感がもてました。いきなり現れた人外達に対してすんなりはいそうですか、と受け入れるなんてことはもちろんしないし、一般的な思考を持っています。しっかり突っ込むところはテンポよく突っ込んでくれるし、意見も言う。守られてばかりの受け身ヒロインではありません。自ら行動することのできる、可愛らしくも芯の強い女性でした。

糖度

全体的に見て、糖度は低めです。すごく健全。各キャラクターの物語で核となる事件の中で、徐々に距離を詰めていく感じです。もちろん、ピンポイントでは思わずドキッとするようなシチュエーションや深く萌えを感じるシーンもあります。

ベタベタ甘々を望む方には向いていないかと。ストーリーの展開がどうなるのかという部分でドキドキさせられたり、糖度が低いといってもひたすらに暗かったり重かったりするわけではありません。シリアスとコミカルのバランスは絶妙です。甘い展開については今後のFDに期待!ですね。

 

《補足》

グロテスクな描写や流血表現が含まれますので、それらが怖い・苦手な方は注意。エンドレスほのぼのを期待されている方には向かないかと思います。(個人的に耐性があるので全く気にならず、後からAmazonレビューを確認して気づきました……。私的にはバトルシーンなど物語が盛り上がる良いスパイスになっていたと思います)

スチル

枚数は、差分なしで12枚~14枚。シーンに沿った表情差分が多くて盛り上がります(差分ありだと1人あたりスチル枚数20~40にものぼります)。

イラスト、着色ともにめっちゃ綺麗です。背景まで丁寧。ファンタジーの作風にぴったりマッチしています。

また、スチルのカットインやズームなどがシーンに合っていて演出が細かかったです。より臨場感が得られたように思います。

ちなみに、原画担当は「華ヤカ」シリーズなどでおなじみのユウヤ氏です。

システム

オーソドックスなオトメイトシステム搭載。慣れている方は操作しやすいですね。

最近よくある選択肢スキップはありませんでした。共通ルートが長いのではじめは欲しいな~と思っていましたが、伏線に気づいた時や謎が解けた後などに違った視点から共通パートを再度楽しむことができるので、プレイ後にはなくてもよかったかなあと思えました。

 

デフォルトの音量が難点かもしれません(音量調節はキャラクターごとに設定可能)。個人差があると思いますが、聞こえすぎるキャラと聞こえにくいキャラがいて、一人ずつかなり細かく音量調整しました。

 

UIがとってもお洒落です。喫茶店仕様。メニュー1つとってもこだわりが感じられるデザインでした。SEなども喫茶店のベル風だったりして雰囲気が出ています。音楽もシーンに合っていました。

背景グラフィックも細かいです。プレイしてみると分かると思いますが、乙女ゲームプレイヤーはきっとびっくりするだろう、こまかーーい背景グラが用意されてます(笑)もちろんそれ以外でも喫茶店の内装や異世界の風景など、細部まで描かれています。世界ごとにたくさんの背景が用意されていたので、全体でいったい何枚用意したのでしょうか……。

演出にもこだわりが見られ、ショートムービーが入ったり、戦闘シーンなど動きのある演出がされていて躍動感がありました。視点切り替えのカットインがあって、いま誰視点なのかがわかりやすいです。

こういった世界観に合ったデザイン、音楽、演出が組み合わさって、キャラクターとストーリーの魅力が最大限に引き出されていたように思います。

 

また、クリア後のおまけ要素はボイス付きのプロフィールがありました。メインストーリーが綺麗に完結しているので文句はないのですが、後日譚とか気になりすぎるからせめてSSだけでも欲しかった……!後日譚が見たければFDのためにお布施しろってことでしょうか。はい、応援します(笑)

総評

久々のNOT移植のSwitch完全新作乙女ゲームでした。キャラクター・シナリオともに良く、個人的に今年やった中で一番好きなゲームになりました(*’▽’)

 

公式ホームページを見た感じだと、「ほのぼのファンタジーかな?」と思っていたのが、良い意味で裏切られました。まるで映画やRPGのようなドキドキするファンタジー作品でした (もちろん、ほのぼのパートもありますよ~!)。ふわっとした『人外』という存在ではなく、しっかり設定された、本気の『人外』がそこにはいました。

 

テキストが本当によかったです。設定が深いぶん核になる部分は確かに重いんですけど、コメディパートなどテンポのよいかけ合いや小ネタを挟んできたりと、思わずくすっとなるシーンが多くて、全体的に見た際に暗くなりすぎず、バランスが絶妙でした。終幕に向かってどんどん盛り上がっていくように魅せ方も工夫されていて、先が気になって手が止まらなくなりました。ファンタジー特有のわくわく感も楽しめます。驚きも多くて、展開の予想や考察をするのに程よく頭を使って考えながらプレイしていました。

 

また、バッドエンドを回収しなくてもスチルは埋まります。バッドエンドが苦手な人にも配慮されているなあと。ですが、印象に残るバッドエンドもしっかりありました。むしろ、そこスチル欲しかった!というシーンもあって。中途バッドエンドにもお気に入りがあるくらいです。バッドエンドに抵抗のない方は、ぜひ隅々まで楽しんでほしいと思います。

 

そして、ご都合展開がなかったことが個人的にポイントが高い点です。むしろそこはもうご都合にしてもいいよ……!って思わず言いたくなるような結末も。そこに徹底した一貫性と作り手のこだわりが見えました。『人外』と『人間』、種族を超えた恋愛というテーマがシリーズを通して不変でした。相手が何であろうと関係ない。テーマに対する一貫性が守られ、クオリティが高い、非常にまとまっているゲームでした。

 

終わった後に余韻を感じられるゲームって良作だと思うのですが、アンシャンテも私にとってそういった1本となりました。全キャラクターをクリアしてコンプしたあとに、思わずもう1周したくなりました。

FDはきっと発売されることになると思う(もちろん筆者も全力で応援を続けていきます)ので、とても待ち遠しいですね。

 

 

そんな『異世界×人外×喫茶店』がキャッチコピーの『幻奏喫茶アンシャンテ』

ぜひ、皆さんもコーヒー片手に始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

P.S.公式Twitterさんにて新着情報はもちろん、皆の日常が垣間見える「写真日誌」など内容が充実しています!プレイ後にロスになっている方ほど閲覧をおすすめしたい…。

 

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