某の乙女ゲーム遊戯録

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Collar×Malice 岡崎契 感想

Collar×Malice(カラーマリス)

岡崎契(CV:梶裕貴)の感想です。ネタバレあり。

下部にFD特典小冊子のネタバレも含みます

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攻略はこちら:Collar×Malice 岡崎契 攻略

岡崎契 個別ルート感想

感想1人目は岡崎さんです。

Vita版発売当初の2016年に1度プレイ済みで、2020年にSwitch移植版が発売したのでまた改めてプレイし直して、この記事を書いています。

Vita版の時は3人目にプレイしたんですが、Switch版では真っ先に岡崎ルートへ。何故なら、推しだから。実は岡崎さん、私のそこそこ長い乙女ゲーム人生の中で好きなキャラクターTOP3に入っています。ちょっと愛の重い記事になるかも……(笑)

 

岡崎はとにかくずるい。ずるい。ずるい。

初見でふわーっとしてるくせに、とんでもない目的をその胸の内に抱え込んでいます。

 

道端で寝ていたりマイペース。そんなふわっふわ君がSPで戦闘になるとキリッとしてカッコいい。路地裏で寝ていた時に吉成君に銃を向けられて起こされたシーンのギャップで落ちた人も多いはず。

だがそんなギャップは序の口だった( ゚Д゚)

 

時には市香に厳しいことも言って、諭してくれる一面も。

そして、有事の際はヒロインにも容赦無く銃を向けてくる。選択肢を間違えようものなら迷うことなく撃ってくる。あの首輪バレしたシーン、ただでさえ急に銃を向けられて市香ちゃんもプレイヤーもびっくりだったのに、更に選択肢はずして逃げようとしたら足を撃たれたシーンは衝撃的で、初見から4年経っても忘れられません。だって直前まで仲良くしてたんだよ?岡崎さんふわふわしてたんだよ??え???ってなるじゃないですか。

その時点では岡崎の中で大切な物は守れる環境、警察という組織だった訳ですから、彼の人となりと知った後では納得の行動なんですけどね。自分の中の優先順位がはっきりしすぎている人。カラマリ界の中では一番迷いがない人だったんじゃないかな。たぶん他人に対しては(白石は特殊なので置いておくとして)普段から辛辣な態度の笹塚よりよっぽどシビアだと思います。

そしてそんな一面もまだまだ序の口だった( ゚Д゚)

 

私が一番衝撃的だったのが、岡崎が死にたがりだったこと。それが内に秘めていたとんでもない目的で。死にたがりと一言で片づけられない面倒くさい死にたがり屋さんなんですけどね。

ふわふわしてるくせに強くて、底知れないシビアな部分がギャップ萌えのキャラクターかと思っていたら、なんか重かった。そしてそんなギャップにまんまとハマってしまいました。

 

岡崎は何もよりも「守ること」に重きを置いています。

守りたいものは、特別なもの。そしてその特別なものが何なのか岡崎にはまだ分かっておらず、今はまだ形のない守るべきものを追い求め日々を過ごしていました。だから「守るべきものは特別で、大切で、とても重くてかけがえのないもの」という抽象的な言い表し方になってしまっていたんですね。

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そんな探し物を求める日々の中で、任務で見張っていた事件と関わりのありそうな探偵事務所に突然現れた、何やら訳ありそうな市香ちゃんに目を付けます。

最初は市香が守るべきものに該当するかどうか見定めるために彼女に近づきます。岡崎は市香のことを守るべきものかそうでないか、そんな概念でしか見ていませんでした。守るべきものじゃないと判断すれば迷いなく切り捨てるのはバッドエンドがよ~く示してくれています……。岡崎のバッドエンドは一番心にダメージを受けるので、ハッピー見る前に回収した方が良いよってプレイ前の皆に教えてあげたい。

 

そして市香の首輪の事情が岡崎に露見し、彼女が「逃げない」と宣言したとき、岡崎は彼女こそが理想の人だと見定めます。そのときの路地裏でニヤリがこわいよ。肉食動物が獲物見つけた感がすごい。目的への固執とか妄信がすごいですよね。柔らかく見えて頑固で強引な人。

 

この辺でプレイヤーとしても岡崎の違和感に気づいていきます。大切に扱ってくれるし優しいし何があっても優先して守ってくれる、それこそ頼れるナイトなのに、市香のことを目的のものとしてか見ていない感じ。概念でしか見ていなくて、本人を見ているようで見ていない。

 

そして市香ちゃんとさんざん良いムードを出しておいて、好意的な感情で彼女を守りたいと思った訳ではなく、あくまでも自分のため、守る価値のある人間だと見定めた彼女を守るって岡崎のモノローグで明かされたことに驚きと共に今までの違和感に確信を持ちました。熱いけどドライ。なんか寂しいですよね。決して市香のためじゃなく、自分の願いのため。それに必要なパーツとしか思っていない。

 

岡崎の目的が薄々分かってきたところで出た指切りシーンの「逃げないで」はちょっと怖かったですね。スチルはすごく穏やかなんですけど。だって逃げたら撃たれるやん……!

 

そしていよいよ2番目の執行者、山条と相対し傷ついて嬉しそうな死にたがりさん。役割を果たせるから嬉しそうにしているんですよね。そんな岡崎さんを見て、市香にもようやく彼に対して違和感と疑念が沸いてきます。

 

山条との初戦を終えて戻ってきた病院で、ようやく岡崎の口から本当の目的を聞き出せます。市香は、“自分のことを死なせてくれる人”「キミを守って死にたい」「意味のある死を迎えたい」――それが存在証明だと。

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かつて市香からの「死ぬのが怖いか」という問いに答えなかったのは、特別なものを守って死ぬのが願いだったからなんですね。意味のある死を迎えたい、自分の存在理由が欲しかった。頑固ですよねえ。

 

この、死を望む願いのために利用されていたことを市香が気づくシーンが切なかったです。一緒に過ごすうちに岡崎のことを好きになっていった矢先に、守られていたのは目的のためで、自分を見てくれていなかったというドライな事実が判明する。プレイヤー的にも薄々感付くものはありながらも岡崎のことを好きになっていくじゃないですか。私は自己投影型ではないですが、このシーンでは市香の感情と共鳴したというか、一緒にショックを受けてしまいました。なんかこう、裏切られた感?別に岡崎は裏切ったつもりはないだろうし、すごく献身的に身を捧げてくれるから悪いことはしてないんだけど、好きかもと思った人が自分のことを何とも思ってなかったどころか利用してたっていうのは堪える。思わせぶりなんですよ岡崎さん。だからずるい。

 

公園での山条戦で市香を守って岡崎が死ぬバッドエンドでも、「最後まで事件を追ってキミらしく立ち向かって、皆にとって特別な人に」というお願いをするんですよね。自分の死を目的のあるものにするために。死んじゃったら自分はそこで終わりなのに。岡崎さんの目的に対する揺るぎなさが固すぎる。

 

特殊な死生観を持ってる。死ぬために生きている人。それが岡崎さんの真実でした。

そして市香の一番の願いは岡崎に生きていて欲しいということに変わります。傍にいたいけれど、自分がいると彼が死んでしまうから、離れることを決意します。

 

すれ違う2人でしたが、ここで何回見ても好きな公開告白シーンがやってきます。

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自分の考えをポツポツ整理しながら、流れるように好きと言っちゃった。そして言ってから自覚するという。

ここの峰雄の実況風リポートが大好きです。ここを何度再生したことか。

 

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そして改めて熱意をこめた告白をする岡崎。それを聞いて冷静に「好きだと“仮定”して」と、仮定にしちゃう市香ちゃん。こんなに面白いけど愛せる告白シーンは他にないですね。

 

ここにきてやっと岡崎の過去について聞けます。なぜ彼が今の目的を持つに至ったか。過去の総理大臣暗殺未遂事件で、同僚が自分を庇って死んでしまったことで、死ぬ瞬間に後悔することを恐れてしまうようになったことが原因でした。そして、存在価値のないまま生き続けていくのが怖い。だから存在証明として守るべきものを守って死ぬ、後悔しない価値のある死を迎えたいと。

岡崎が同僚に助けられることになってしまった要因は、爆発が起こって助からないだろう民間人を助けようと迷ってしまったことなんですが、その民間人を助けようとした岡崎と、公園の焼死事件の被害者を最後まで助けようとした市香って少し似てますよね。その時は岡崎が同僚に諭されたように、岡崎が市香を諭してあげてたんですよね~……。

 

 

 

告白して、お互いが恋心に気づいてなお相いれない2人の願い。死にたい岡崎とそんな彼に生きてほしい市香。

岡崎に至っては納得してくれないと他の人を探すよ、と。キミのためじゃなくても他の誰かのために死ぬよ、ってどんな脅しよ。

それから飛んだ市香ちゃんの平手打ちと、避けなかった岡崎さん。言葉じゃ伝わらないからと物理的な手段に出る我らがヒロインちゃん、さすがです。口にケーキ押し込むなど然り。

その後、「クリスマスっぽいこと=ベッド」に直結する岡崎さんが見られます。分かってはいたけどこの人間違いなく肉食系ですよね。

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そしてここまで来てもお互い、相手が自分のことを好きな気持ちを信じ切れてないのが少し面白いですね(笑)

 

このルートの香月もやっぱり可愛かった。岡崎さんに泣かされたら殴ってくれるらしいよ……香月のそういうところがずるいよ~~。「姉ちゃん」って呼んでくれたのも泣けますね。「ちゃんと帰ってくるよな?」って少し不安そうに聞いてくるところもまあ。

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そして迎えたハッピーエンド。

自分を庇って撃たれた市香に対して声を荒げる岡崎。初めて彼のこんなに怒ってる姿を見ました。このハッピーエンドは紛らわしかった。エンディング終わるまでどうなったかわからん(笑)ムービー入ったから正規ENDなんだろうけど、いかんせん直前のスチルが市香は撃たれて気を失って、岡崎は泣きながらそんな彼女を抱えてますからね。

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エンドロールが明けて、「次に同じことがあったら絶対死んじゃうからね」という可愛らしい彼の言葉は、決して冗談じゃない本気の脅しですね。

岡崎の怒る姿がレアで印象的なハッピーエンドでした。

 

他のエピソードで面白かったのは、ルンバの家出や、ゲテモノを吉成に試食させるやつとか。食レポという名の辞書が面白い。

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 あとは白石と岡崎のニコニコやりとりも楽しいですね!「性根の悪さは俺といい勝負ができる」と白石に言わしめるお墨付きの性格の悪さな岡崎さん。

 

 

岡崎の悲恋エンドが本当に好き。色んな乙女ゲームで印象に残るバッドエンドは数多くあるけれども、このバッドエンドは私の中で1、2番目を争うほど好きです。感動しました。多分これがあったからこそ岡崎がキャラもルートも大好きになったんだと思う。

 

市香が自動機関銃に撃たれ死んでしまい、生き残った岡崎。そして無意識に自分の頭に銃口を向けるも、市香の言葉を思い出して撃たなかった。いや、撃てなかった。死にたいと思うのに引き金が引けない。市香の意思を汚したくない。死にたかったのに死にたくないと思ってしまう。市香は約束を守って最後まで自分の目的のために戦ったから。ここで岡崎が死ぬと無駄になってしまう。

 

「あーあ……なんで、死ねないんだろ」という涙まじりの台詞が悲痛で泣ける……。

スチルも最高。

 

私がこのバッドエンドに感動した1番の部分って、市香の想いがちゃんと伝わっていて、あれほど死にたいと思っていた岡崎を「変えられた」ことなんですよね。ちゃんと彼女の言葉が届いていた。

話的にはここで岡崎が自殺して死んでもおかしくはなかったのに、そうならなかったのが逆に印象深く、心に残る重みのあるシナリオだったと思います。

 

市香が死んでしまい、相対していた御國れいも市香と相打ちになり死んだあと、残された岡崎の前にはゼロが現れます。

 

この悲恋エンド後にどうなったかは、FDの初回限定版特典の小冊子に描かれています。

好きすぎるのでこのまま感想続けます。

 

以下、特典小冊子のネタバレになりますので、今後読もうと思っている方は注意!

 

 

 

FD初回限定版小冊子のネタバレと感想(岡崎)

市香が死に、自死することを踏みとどまった後、岡崎はゼロを殺します。

岡崎を殺してくれようたしたゼロの言葉に誘われるまま、銃弾を受け入れれば死ねたのに、彼にはそれができませんでした。反射的に銃弾を避け、無意識にゼロの額を撃ちぬいた岡崎。

岡崎の中では「死にたい」と「死にたくない」という相反する2つの感情が入り乱れていたけれど、とっさに「生きよう」として体が勝手に動いてしまったんだろうなあと。それほどまでに市香が岡崎の中に残していったものは大きい。

その後、ゼロは即死だったのにマガジンを入れ替えてまで弾が切れるまで亡骸を撃ち続けます。基本的に余計なことはしない冷静な岡崎がしたその行動は異常で。まるで彼の空虚と絶望を表したたような行動でした。

 

そしてX-Day事件の首謀者が2人死に、もとの日常に戻った新宿にて。岡崎は自宅待機で死んだようにただ生きている状態になっていました。そんな彼の元に頻繁に様子を見に来る吉成くん。実は吉成は、市香や本人ですら理解できないはずの岡崎の思考を暴いていました。岡崎がかねてから死にたいと思っていたこと、そのためにSPをやっていることも見抜いていたんですね。そして今は死ねなくなってしまったことにも。何があっても生きなきゃならない岡崎がもうSPに戻ることはできないことにも気づいていました。

 

岡崎は、約束を守ることができなかった自分自身が一番許せないと、ずっと自分を責めています。残酷ながらも、「ただ生きること」が彼の終わりのない夢で、願いになってしまったのでした。

 

そして市香から1通のメールが届きます。日付は12月28日。彼女が息を引き取ったのは26日。最終決戦に出発する前に、予め遅れて届くように指定していたメールでした。

そこには岡崎に愛を告げる言葉と、これからも生きて、私の代わりにたくさんのものを守って、死んだように生きないで、大切なものを見つけて幸せになって――といった言葉が綴ってありました。これを書いた市香も、どれだけひどいことを岡崎に言っているかは自覚していました。

 

そのメールをみた岡崎は、まるで呪いだと。他の誰にも向けたことのない強い怒りを覚えました。素直にメールの内容を受け入れることはできないし、一生許すことはできないと。そして改めて市香に対する想いを見つめ直し、話は終わります。

 

市香のメールを読んで怒り、泣き、失った感情を少し取り戻すことができました。どんな理由であれ、市香の最後の願いを叶えることを目的に、死んだようにいきることはもうなくなったのだと思います。

彼女が死んでからずっと黒く見えていた世界に、色が戻ったという小説の最後の描写がそれを表していました。

 

きっと、市香の「守って」というメッセージに従って、生きるために戻れないはずだったSPに復帰することになると思います。ただ、「大切なものを見つけて幸せになって」だけはきっと一生、受け入れることはないんだろうなあと。

復帰しても絶対に死なない約束も守り続けて、これから1人で生き抜いていく岡崎さんのことを思うと切なくなりました。

 

 

以上で感想を終わります。

 

小冊子はキャラクターによって希望があるキャラと無いキャラの差が激しい。もう、なんか、すごい(語彙力)。それぞれの悲恋エンドでよくここまで話を繋げたな~と思います。岡崎もだけど白石もすごかったよ。もう入手が難しいかもしれないけれど、機会があったら是非皆さんにも読んでいただきたいです……。岡崎クラスタさんはこの話は絶対に原文を読むべき。挿絵もついてます。こちらの感想はだいぶはしょって書いてますので。

 

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