Nightshade/百花百狼(ひゃっかひゃくろう)
月下丸(CV:羽多野渉)の感想です。ネタバレあり。
攻略はこちら:百花百狼 月下丸 攻略
月下丸 個別ルート感想
何があっても、何処にいようとも絶対に助けに来てくれる月下丸。
そんな彼の忠義の秘密が明かされるお話でした。
月下丸のルートに入ってからは、いつもの「槐様を守る」に不穏なニュアンスが漂い、何やら呪縛のような執着を感じます。
本ルートはもちろん、他ルートでもどこまでも献身的な月下丸に一体何が隠されているのか……どきどきでした。
今回は、以前に蝶治郎ルートで散々泣いたので、甲賀忍による後見人決めの代理戦争の展開には泣かずにすみました。おそらく蝶治郎ルートより先にプレイしていたら確実に泣いていたと思います。
そして月下丸の最大のポイントは主従という部分にありますよね…!
主従っていいですよね。主ガチ勢で過保護なところや、主に対して懸想して葛藤するところとか。主から好意を向けられてどうしたらいいのか分からなくなるところとか。
月下丸にも存分に従者萌えさせて頂きました。兄の振りをして槐を呼び捨てにしたり敬語をはずしたりすることを大分頑張ってたり、槐が「月下丸兄様」と呼ぶたびにたじろぐのが可愛すぎました。
そして槐が弱った月下丸にちょっかいを出しすぎて組み敷かれる体制になり、主への想いを堪える月下丸……従者萌えのツボをしっかり押さえてくる~~~。
ただ一度だけでいいから存在を確かめさせて欲しい、といって恐る恐る槐を抱きしめた小さな願いも切なくて素敵でした。その後も時が経って再び抱きしめ合った時に唇も合わせようとしたけれど、すんでのところで止まる月下丸。主従の壁は厚いし高い……!
道中は黒雪も合流して、兄弟のやり取りが見ていて楽しかったです。
「槐や月下兄がいない甲賀と縁が切れようがどうだっていい」と、なんだかんだ月下兄のことも気にしてくれる黒雪でよかったです。
ボーナスシナリオで勃発する兄弟喧嘩が二人とも可愛い。
月下丸も黒雪も槐ガチ勢だからやっぱりこの2人は兄弟ですね。黒雪もどのルートでも、消えてたと思ったら槐が1人で絶体絶命の時とか必ず駆けつけてくれますし。
そして明らかになる月下丸の秘密。月下丸の、槐を守ることに対する執着は呪いがかけられていたからでした。
心の奥底に絶対の掟を刻み込む『呪言刻みの術』。槐への絶対の忠義が呪いとして月下丸に刷り込まれていました。そして、呪いは1つだけじゃなかった。実の母親に、自分を殺した勘道の子を絶対に殺せ、という呪をかけられていたのです。
最初に「殺せ」の呪をかけられ、それを反転させるため次に「守れ」の呪を上書きされたと。これには驚きましたね……。設定よくできるてるなあと。
ずっと月下丸の中で聴こえていた「必ずあの子を……」という女の人の声は『守れ』じゃなく『殺せ』だった。てっきり槐の母のかがり様の声だと思わせるミスリードでした。
最後の追忍が月下丸で、これまでずっと守っていてくれた、絶対に裏切ることがないと思っていた彼が敵になる展開は驚きでした。
最終的には真実の愛が呪いを打ち破ります。三つの時に刻まれた呪いよりも、槐と積み重ねた長い年月がそれ以上のものを刻んだと。
呪による『守る』でも『殺す』でもない、月下丸の中にあった槐に対する『愛』が真実でした。
二つの呪いを愛が凌駕して上書きした。愛で呪いを解くって、御伽噺のようで素敵ですね。
そして秀吉に見せられた、皆の髪束が衝撃でした……。狂言によって仲間同士で殺し合いをさせられたあげく、死した後に墓まで暴かれて。惨すぎる。
月下丸が最初に槐に言った「月は落ちて天を離れず」を最期、秀吉と勘道の前で言い放ったのが最高に決まってましたね。いい所でいい決め台詞を持ってきてくれた。
さすがパッケージキャラというべきか、百花百狼のタイトル回収もこちらでしてくれました。人は花にも狼にもなれる。
ラストの「従者であると同時に1人の男として傍にいたい」という言葉に、まだ従者でいてくれるんだと個人的に歓喜しました。
従者兼・恋人な、2人の今後を覗き見てみたいものです。